ワッペンに込められた想い。DENIM TEARSのフライトジャケット

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ワッペンに込められた想い。DENIM TEARSのフライトジャケット

ワッペンに込められた想い。DENIM TEARSのフライトジャケット

FASHION 2022.10.18 REGGAWS

DENIM TEARS(デニムティアーズ)

こんにちは。REGGAWSの吉澤です。
今回紹介するのは、今シーズンよりSUPREME(シュプリーム)のクリエイティブディレクターに就任したことで話題になったTremaine Emory(トレマイン・エモリー)が手掛けるブランドDENIM TEARSのフライトジャケットです。

今回このジャケットを紹介しようと思ったきっかけは、Kanye West(カニエ・ウェスト)改めYe(イェ)が、10月初旬に行われたパリ・ファッションウィークでお披露目したYEEZY(イージー)の最新コレクションのバックステージで着用していたWHITE LIVES MATTERとプリントされたTシャツに世界中から批判が殺到したというニュースを見たからです。

そこで僕がいつもスタイリングの参考にしたり、何度もコレクションを見返すくらい好きなデザイナ一達が、ー昨年のBLACK LIVES MATTER運動の際にチャリティーTシャツを作成していたのを思い出しました。

FEAR OF GOD(フィアオブゴッド)のデザイナーJerry Lorenzo(ジェリー・ロレンゾ)の働きかけによって集まったメンバーの中にTremaine Emoryがいたので、「黒人奴隷制度の対象であったアフリカ系アメリカ人のストーリーを発信していくこと」をブランドコンセプトとしているDENIM TEARSの今シーズンのジャケットにも何かメッセージが込められているのではないかと興味を持ち、調べた事を交えて紹介しようと思いました。

それでは、商品を紹介していきます。

DENIM TEARS / TRANS-ATLANTIC FLIGHT JACKET ¥106,150-tax in

サテン生地を使用したフライトジャケットです。
一般的なフライトジャケットと比較して、極端な着丈の短さと身幅の広さが特徴です。
程よく中綿が入っていますが、とても軽いので、重ね着をしてもストレスがありません。様々なレイヤードスタイルを楽しんでいただきたい1着です。

左胸には、1619と刺繍されたワッペンが施されています。

Tremaine Emory が「黒人奴隷制度の対象であったアフリカ系アメリカ人のストーリーを発信していくこと」をブランドコンセプトとしているので、アフリカ系アメリカ人の奴隷制度が始まった年である「1619年」を忘れないというメッセージを込めて、この数字を頻繁にデザインに用いているという事を知りました。

左袖にはパンアフリカンフラッグをイメージしたワッペンに、笑顔の黒猫が刺繍されています。
なぜこのフラッグや黒猫のワッペンなのだろうと疑問に思い、僕なりに調べてみました。
パンアフリカンフラッグとは、同じ高さの赤、黒、緑のトリコロールで構成され、赤色は黒人解放運動で流した血、黒色は肌の色(黒人)、緑色はアフリカの豊かな自然を表しており、アフリカ系アメリカ人の誇りの象徴として掲げられていたそうです。
また、黒人奴隷問題が過激だった頃、ヨーロッパではキリスト教以外の信仰者や思想の異なる人々が不当な迫害を受ける魔女狩りが最盛期を迎えており、魔女がいつも連れているイメージのあった黒猫も一緒に迫害を受けていた歴史があるという事を知りました。Tremaine Emoryはヨーロッパのクラブシーンでも活躍しているので、そう言った歴史に対しても問題提起したかったのではないかと思います。

また、右袖にはピースマークをコットンリースで表現したデザインが刺繍されています。
こちらはDENIM TEARSの代名詞的デザインで、アフリカ系アメリカ人が当時の主な労働であった綿花摘みを強いられていた事実に問題提起しています。

リブ部分には、オレンジ色でDENIM TEARSとロゴが入っており良いアクセントになっています。

また、今シーズンのDENIM TEARSは、多くのコラボレーションコレクションを発表しているので、ルックと併せて見ていきます。
REGGAWSでも取り扱っているREADYMADE(レディメイド)や ©︎SAINT Mxxxxxx(セントマイケル)とのコラボレーションアイテムを始め、Levi’s(リーバイス)やStussy(ステューシー)とのコラボレーションだけでなく、ヴァージル・アブローへの追悼の意を込めたPYREX VISION(パイレックスヴィジョン)の復活など、ファッションシーンで注目度の高い物ばかりです。