Off-White c/o Virgil Abloh™️ （オフホワイト）

先日放送したREGGAWS（レガウス）のインスタライブでご紹介した”CARAVAGGIO（カラヴァッジョ）”プリントのTシャツについて、ご紹介仕切れなかったカラヴァッジョ絵画について詳しく説明していきたいと思います。

オフホワイトの使用するプリントの代名詞といえば、このカラヴァッジョプリントです。
なぜ、デザイナーのVirgil Abloh（ヴァージルアブロー）はカラヴァッジョプリントを頻繁に使用するのでしょうか。
今回はこの謎に迫っていきたいと思います。

まず、カラヴァッジョとは…

本名：ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ　
多くの画家に影響を与えたバロック絵画の先駆者として有名です。
カラヴァッジョは明るい光と深い闇のコントラストをくっきりとつけた宗教画を多く発表しています。
人物の顔には強く光を当て、背景など無駄な部分は暗闇で隠している絵は、徹底した写実主義のカラヴァッジョが、人物の激しい動きや緊張感、その場の臨場感をリアルに伝える様な絵になっています。
ただ、カラヴァッジォの作品はリアル過ぎるあまり、品位が欠けていると言われ、強い批判を受けていることもありました。
ですが、光と闇のコントラストを使う明暗技法は、カラヴァッジョ以上に秀でている画家はおらず、多くの画家がカラヴァッジョの技術を参考にして絵画を書いていました。
38歳という若さで、命を落としたカラヴァッジョは数々の名作を残しています。
今回その中でも、オフホワイトで使用された絵画を紹介していきます。

【ロザリオの聖母】

この絵画の中には、イエスとマリア、聖ドミニコ（カトリック修道士）や民衆が集まっていて、その中でもマリアは聖ドミニコと目を合わせています。
教会を通してのみ、イエスやマリアと関わることができるという、カトリックの考え方を表しています。
ですが、民衆にはマリアが見えていないので、民衆たちは聖ドミニコに向けてお祈りをしているのが分かります。
イエスやマリアが神として崇められている様子が伝わってきます。
今回の絵は、以前のカラヴァッジョの作品とは異なり、民衆の足の裏が汚れています。イエスやマリアが見えていないことで、宗教的には美しくまとめているが、当時宗教改革の対立中でした。そこに、異議を唱える意味でカラヴァッジョは敢えて、足が汚れた絵を書いたと思います。
この絵から、素行が非常に悪かったカラヴァッジョでもカトリックの考え方を崇拝していたと考えられます。

ヴァージルアブローは元々建築家であり、バロック建築にかなり影響を受けています。イタリアのサン・ピエドロ大聖堂が特に有名です。
バロック建築に目をつけたときに、バロック時期に活躍していた画家にフォーカスして、絵画プリントが生まれたのではないでしょうか。

建築、芸術、音楽、全てを合わせて、ファッションであるとヴァージルアブローは考えていて、DJで使用する音楽は、バロック時期が流行った中世をイメージしたミックスを行ったり、ファッションでは、絵画を大胆にプリントしたりと、過去の芸術家からインスパイアされた商品を多く作っていると僕は思います。

カラヴァッジョ以外にも、バロック時期に活躍していた”ベルニーニ”という画家を採用したプリントやカラヴァッジョが尊敬し参考にしていた”レオナルド・ダ・ヴィンチ”の作品などもプリントしていることからも、この中世の時代に非常に影響を受け、ファッションに落とし込んでいることが分かります。

そんなヴァージルアブローが作ったカラヴァッジョプリントのTシャツを見て行きましょう。