OTHER 2023.03.26
こんにちは、山田です!
休日に書店に立ち寄った際に、以前から気になっていた本を買ってみました。
2021年に、「アガサ・クリスティー賞」という長編推理小説の新人賞で、選考委員全員が満点をつけるという史上初の快挙を成し遂げ、2022年には、全国の書店員の投票によって決められる「本屋大賞」も受賞するなど、異例のデビュー作として話題になりました。
第二次世界大戦における独ソ戦を舞台に、かつてソ連にのみ存在した女性兵士、その中でも狙撃兵の小隊をモデルに書かれている作品で、昨今の情勢もあり注目を集めているそうです。
進軍してきたドイツ兵によって、故郷の村を焼かれてしまった主人公セラフィマは、助けに来た赤軍兵士イリーナに見出されて、復讐のために狙撃兵としての道を歩むことになり、仲間たちと共に激戦地スターリングラードへと向かいます。
戦場を潜り抜けていくにつれて、戦争というものに「適合」していく登場人物たちの心理描写は、成長と捉えることもできますが、戦争がかくも人を変えてしまうのかというのを感じさせつつ、そうしなければ生きていけなかった戦場の凄惨さが浮かび上がってきます。
物語はフィクションですが、史実を元に実在の人物も交えて書かれている為、あたかも実際に起きたかのように感じさせる迫力があります。
戦闘描写も秀逸で、知識のない人が読んでも場面がはっきり分かるように書かれています。
似たような本に、実在の従軍女性からの証言を元に書かれた、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの『戦争は女の顔をしていない』があり、逢坂氏は書き上げる上でこの作品を参考にされたそうです。
先の大戦において、ウクライナがロシアからもドイツからも攻め込まれていたということを知り、今の情勢と重ねて考えさせられました。
戦争では、各々が大義名分を持って戦うわけですが、何のために戦い、最後に何が残るのか、更にその後はどうするのか。
戦争を経験していない身では肯定も否定もできませんが、未だに流れてくるウクライナとロシア関連のニュースの見方も変わりそうです。
テーマとしてはかなり重たいものですが、
どんどん引き込まれていく魅力もあり、あっという間に読み切ってしまいました。
電子書籍で手軽に読書を楽しむことができる時代でも、僕は紙をめくって読む方が好きです。
最近、休みの日に天気が崩れることも多いので、この機会に他にも色々読んでみようと思います。
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